2008年5月4日日曜日

道・・・幼心に衝撃 ! なんでだろ



これを観たのは、たぶんリバイバルだろうか。製作年からしてまだ生まれてなかったし。とにかくすごく泣いた想い出があります。やっと幼稚園に入ったころだろうか。字幕が読めないから余計想像を掻き立てられたんだろうか。どうしてこのおじさんは一緒にいる女の人をいじめるのか。どうして女の人はそれでもあんなに笑っていられるの? 最後に男が泣く。そこまで取り返しのつかないことをしておいて・・・。やるせなかった。子供心に、一緒にいる人が亡くなるという事に初めて涙した瞬間かもしれませんね。それだけのインパクトはあります。当時NHKで放映されるたびに観てました。そのたびに泣いてましたが。10本ベストを挙げるとすると、必ず入るな。監督はあのフェデリコ・フェニーリだと知ったのは高校に入ってからです。女優のジェリッタ・マシーナ(頭の悪い女の子役)がその監督の奥さんだと知ったのは、もっと後の話。

監督 フェデリコ・フェリーニ 出演 ジュリエッタ・マシーナ、アンソニー・クイン、リチャード・ベースハート 音楽 ニーノ・ロータ 1954年作。 アカデミー外国語映画賞を獲得。
大道芸人のザンパノは鎖を体に巻きつけ、それを引きちぎって見せる芸で旅をしている。力はあるが、自分の欲情だけしかない粗野な男。彼は貧しい家の女、ジェルソミーナを買い、昼は相棒、夜は情婦としてぼろきれのように粗末に扱った。ジェルソミーナは白痴だが天使のように純粋無垢な女。ザンパノは僅かの金が入ると、飲んだくれて、娼婦のもとへしけ込んだ。ジェルソミーナにとって最初の男であるザンパノの存在は絶対だった。来る日も来る日も、アメリカ製のオートバイにワゴンを付けたザンパノとジェルソミーナの旅から旅の生活が続く。やがて冬が来て、サーカスに身を寄せた二人の前に、“キ印”と呼ばれる陽気な男が現れた。彼はジェルソミーナに美しい調べを聞かせた。二人の間に不思議な心の交流が芽生えた。だが、本能的に気に食わないザンパノはふとしたことから“キ印”を殺してしまう。悲しみのどん底に突き落とされたジェルソミーナは、いまやまったくの白痴となり、ザンパノの邪魔者だった。ザンパノは彼女を棄てた。何年か時が経った旅の途中で、ザンパノはどこからか聞こえてくる歌声を聞いた。ジェルソミーナが良く口ずさんでいたメロディだ。何年か前、ここの工場で野垂れ死にした乞食女が、子供達に教えたのだという。その夜、したたかに酔って喧嘩し、袋叩きにあったザンパノは、生まれて初めて、心の中にぽっかりと空洞を感じた。今、彼の脳裏に浮かぶのは、天使のような穢れの無いジェルソミーナの豊かな愛情だった。無限に輝く星空の下、ザンパノは砂浜の砂に体を打ち付け、獣のように泣きつづけるのだった。

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